安藤忠雄建築に泊まれる体験プライスレス。直島ベネッセハウス パーク棟の客室[宿泊記]

ずっとタイミング悪く泊まることができなかった「ベネッセハウス」。利用客の多数を占める外国人客がいない事、そしてGO TOキャンペーン未開催中の穴場的な時期だったのか、あっさり予約が取れました。

名古屋から車で入島したので、カーフェリーからそのまま向かいます。

ベネッセの敷地に入れる車は宿泊者のみ。美術館来館も宿泊者以外は車で行くことはできず、2箇所あるゲートで必ずチェックを受けなければなりません。

ゲートで予約していることを伝えると、確認後ミラーに吊り下げるマークをもらえます。

これでベネッセ施設内での車の通行はチェックアウト終日までオールフリー。

宿泊・レストラン・売店、ベネッセミュージアムをはじめ屋外展示作品が点々としている広大な敷地なので車があると非常に便利なのです。普通は巡回バスや徒歩、もしくは自転車になります。

ただしフロント周辺以外の駐車場は、5台程度しか駐車するスペースがありませんでした。混んでいる時は注意が必要かも。・・・まあ私たちの宿泊時は、週末にも関わらず満室ではないのもあり、いつも駐車できる悲しい状態でしたが。

安藤忠雄建築に宿泊できるスゴさ

安藤忠雄といえば、六本木の東京ミッドタウンに当時開館したばかりの氏設計の「21_21 DESIGN SIGHT」と、そこでの安藤忠雄展を見に行った印象が今でも強く残っています。

「安藤忠雄=コンクリート」のイメージ。

主人は「安藤忠雄=大阪の星」だそう笑

氏の代表作の一つでもあるベネッセハウスは、ホテルエントランスもコンクリート打ちっぱなし。まさにイメージ通り。

このツタの絡まり具合も品種も、すべて計算されたデザインだそうです。築年数を重ねると感じるコンセプトも変わっていくんだろうなあ。

意外で希少なウッド中心の客室

予約したのは2階の部屋、パークデラックスツイン。アート作品や海の眺望が良いとのこと。1階より少しだけ宿泊費は高いです。

入ってすぐ、開放感のあるベランダの景色に興奮です。

あいにく冬は芝が枯れていましたが、みずみずしい緑の季節は圧巻だろうなあ。

客室は「安藤忠雄=コンクリート」のイメージを裏切ったナチュラル資材を使った設計デザイン。エレベーターホールまではコンクリート建築だったのですが・・・コンクリートはどこ?

新鮮なコンクリート要素一切なし!「木」が主体の安藤建築は初めて見るかも。とっても希少だと思います。木材とガラスが主な材料です。

窓枠までもウッド。置いてあるインテリアもテラス的な雰囲気に似合うもので、好きな場所に動かせるフレキシブルさ。

ちょっと動かして・・ベランダは室内との境目を感じにくいフラットフロア。ここで飲んだビールは最高です!

安藤忠雄らしさは上のほうに

上の梁を見上げると採光の細長い窓があります。

さすがだなと思うのが、日中は照明を付けなくても明るく過ごせること。天気は良くなかったこの日でも、隅々まで明かりが行き届いています。この天井の傾斜もそのあたり計算されているのだと思います。

外にいなくても外で過ごしているような開放感がありました。スゴい!!

各部屋には、部屋ごとに違うアート作品が展示されています。うちの部屋はオラファー・エリアソン氏の写真作品。

夜になって気づきましたが、海ぶ面したテラス側にも同じようなプロポーションの採光窓があり、室内の梁が外まで続く様子が見えました。

コンパクトで便利なミニマムインテリア

室内の広さは思ったより広くはありませんでした。工夫されていたのはミニマムスペースのためのインテリアたちです。

扉で隠す半オープンなクローゼット。

部屋に入った瞬間に洗面台があり、「一人暮らしのワンルーム!?」感があってびっくりしました。

しかし廊下とバスルームを仕切るカウンターのような役割も狭小スペースならではの工夫かも。手前はキッチン風、奥はバスルーム風と、でもどちらからでも利用できます。

いい意味で手作り感というか、オリジナリティが高くて、この部屋のためだけにオーダーメードで作られた既製品にない味わいがあります。

一休.comダイヤモンドクラブ会員特典で、冷蔵庫のミニバーは全て無料、結構豪華♡

アメニティはTHANN(タン)です。

パジャマ。バスローブは洗面台に下に。

ブラインドもウッド製。室内の色々なものが木製で徹底しています!光の入り具合は手動で簡単に調節できます。とても快適な滞在でした。ただ主人は脱衣所&洗面台が仕切りのある個室でない事には不満があったそうです。

安藤忠雄建築に泊まれてよかったのは、一晩過ごす事での設計デザインの意図を感じる楽しい気づき。なぜこのような設計なのだろうか?を考えて感じてみたり。宿泊でさえもアート鑑賞です。

あとはなんといっても貪欲に作品に触れられるところです笑