良ロケーションの鉄道遺構・旧太子駅。朽ちゆくホッパー棟はまるで“群馬のタウシュベツ橋梁”[廃線廃駅]

群馬県の尻焼温泉へ1泊旅行へ。
宿に向かう途中にあるちょっとした名所に寄り道しました。

吾妻線 太子駅

約50年前に廃線された吾妻線 太子(おおし)駅。それが近年鉄道遺構として整備されたそうで、なかなかのノスタルジーある雰囲気で残されているらしいのです。

普通の駅とちょっと違うのが、太子駅は旅客用だけでなく鉱石を製鉄所へ輸送もしていた駅だったため、鉱石を積み出すための重厚な建造物が朽ちながらも残っています。

まるで今年3月に訪れた北海道十勝のタウシュベツ川橋梁を思い出すような風貌だったので、ぜひ寄ってみたかったところです。

2018年、整備されオープン

2018年にレールやホームを復元し、有料の施設として生まれ変わりました。廃駅になってからの跡地は公園だったりした時もあり、このコンクリートのホッパーも埋もれていたりしたそう。

山と木々、そして白砂渓谷ラインを走る車がときおり見えるだけのロケーション。変に作り込んでない素朴な復元もいい感じ!

景色をさえぎらないつくりなので入場せずに外から眺めるだけでも十分な景色。でもせっかくなので課金します。

当時の写真や町民の証言をもとに復元された駅舎が入場口。

入場料 / 200円

昭和44年当時の運賃表を復元したもの。
50年以上前の運賃と現在の運賃相場がそう大きく変化していないのが、昨今の給料と物価は安いままの国・日本を感じてしまい少し悲しい・・。

運賃表デザインのクリアファイル(300円)と、昔の鉄旅でおなじみのお茶容器(200円)がお土産品として販売されてました。

鉄鉱石を運ぶために使ったバケツなる運搬具。

登録有形文化財・旧太子駅ホッパー棟

ずっと埋もれていたのを復元のため掘り出したという鉱石を積み出すための施設ホッパー棟。

こちらは北海道のタウシュベツ川橋梁


鉄骨がむきだしでコンクリートもだんだんと朽ちていく姿を見ると、北海道のタウシュベツ川橋梁を見た哀愁と重なります。(タウシュベツ川橋梁は鉄道橋)

今後何かのロケ地にでも使われそうな予感。。。(今のところ使われたという情報はなし)

2021年に登録有形文化財に登録されたそうですが、それが近年まで野晒しで放置されていたというのも感慨深いです。

この穴からざざっと鉱石が列車に積まれたのか。

本来は3階建てくらいの高さがあったみたいだけど(写真左上)、今は1階部分しか残ってないようです。

ホッパー棟の保存だけでなく、当時使用されていた蒸気機関車と同じモデルの車両や貨車も展示もされています。

JRや大井川鐵道など全国各地から無蓋車を譲渡されたりしながら集めているらしく、ここは「日本一の無蓋車公園」らしい。

昭和46年に廃止される最後まで、電車ではなくディーゼルカーでの運行だったようです。