日本三大秘境・徳島の祖谷へ。しょんべん小僧に名頃 かかしの里まで、ナナメ上のワンダフル田舎

四国に行くなら行ってみたかった日本三大秘境といわれる祖谷(いや)。ここ祖谷には温泉もあってとても良いらしいのです。

日本三大秘境 | 岐阜県 白川郷、徳島県 祖谷、宮崎県 椎葉村

「高知なのに徳島へ?!」と思う気持ちもなくはないが、四国にある高知龍馬空港高松空港徳島阿波おどり空港松山空港の、4つの空港のだいたい中間に祖谷は位置しているのです。

どこからも遠いけど、強いて言えば高知龍馬空港or高松空港が割と近め。ホテルを出発し、高知市街でレンタカーを借りて出発です。

JR大歩危駅

「大歩危」とかいて「おおぼけ」と読むJR土讃線・大歩危駅。

祖谷に向かう場合はここからここから祖谷温泉まで路線バスで約40分。公共交通機関を乗り継いでくる人もいるそうです。

ボケマート

駅のそばにあるミニスーパー「歩危マート」には名物があるということで寄ってみました。

ぼけあげ祖谷どうふ。特にぼけあげは、このお店のオリジナル商品で、30センチはゆうに超える大きなお揚げ。少しの滞在だったけど飛ぶように買われていきました。お豆腐はまるで食パン一斤のような巨大なもの。固く締まってて昔の人は縄で縛って持ち帰ったそう。

ぼけあげは冷凍すれば日持ちするらしいけど、さすがにあと2泊3日の旅では無理なので泣く泣く諦めました。(時間があれば道向かいの「歩危マート2号店(お食事処)」でぼけあげ料理を食べることができます)

ここら辺のお土産を買うにも良いところで、ゆず酢なるものもはじめて見た!これは買っていきたい。

祖谷渓のしょんべん小僧

祖谷渓谷は、深い山々に囲まれた祖谷川が蛇行する深山幽谷。今でこそ道路が整備されていますが、高低差の激しいこの渓谷では日本三大秘境と呼ばれるのも納得。

そんな渓谷にあるのが、かつて地元の少年らが度胸試ししたという場所と行為を模した「小便小僧の像」

ただここに辿り着くのはちょっと大変。車1台分しか通れない区間が多いクネクネ道を行かねばならず、万が一対向車が来たらちょっと泣くレベル。車が行き交う観光ピークの時期には絶対に走りたくない道路です。

駐車場なんかない道路脇にひっそり立っています。(車3台くらいは路駐できる)

高所恐怖症の私は、この角度からの写真が限界・・。怖くて柵に近づけないし下が見れない。祖谷キッズの度胸に感服です。

名頃 かかしの里

今日の宿にチェックインするまでもう少しドライブ。

小一時間ほど山間の田舎道を、祖谷川に沿った道を上流方面に向かいひた走ります。たまに集落もあるけれどほとんど自然しかないちょっと寂しい道のりです。

すると、ぱっと開けたススキの景色。・・が見えたと思ったら無数のカカシがお出迎え!!!

というか、人間が見当たらないんですけど!

バス停で待つカカシ達。

ひとり遠くから見つめる不審そうなおじさんカカシ。

農作業をサボりスマホに興じるカカシ。

名画を再現

名画・ミレーの「落穂拾い」を再現している畑の中のカカシ達。

家の前でおしゃべり中のカカシとママチャリロードバイカーカカシも。

林業従事カカシもおります。

圧巻の小学校

なんと学校もあります。

かつて実際にあった旧・名頃小学校の体育館が開放されていました。ぱっと見ただけでちょっとすごい人数だぞ!

奥では結婚式が行われていたり、状況がカオス

無数のカカシ達による盆暮正月、年中行事再現中です。

びっくりして震え上がるのは最初の一瞬だけ。よくみると愛嬌のある顔立ちやファッションコーディネートが微笑ましいです。

キャッキャとはしゃいでいたら、畑の奥の方の民家から人が出てきて(やばい騒ぎすぎたか・・)と思っていたら、話しかけてきてくださり、なんとこのカカシ達の生みの親・綾野さんというお方でした。

気さくに色々なお話をさせていただき、可愛いデザインのカカシについて書かれたパンフレットもいただきました。この集落には人間27人、だけどカカシは300人いるそうです。

私たち以外全員外国人

しばらくすると車がぽつりぽつりと到着し、新たなお客さんがやってきました。なんと全員外国人(欧米系)です。結局日本人は私たちだけのめちゃくちゃインターナショナルな空間でした。あと綾野さんは外国人にも大人気。

どうやらこの場所は海外の方でバズっているらしく、観光スポットとして有名になったのもドイツ人留学生の動画がきっかけだったようです。

交通も不便な田舎の小さな集落で、たった一人で始めたカカシ作りが、世界中から注目を集めてるなんて胸熱すぎます。

落合集落

最後に、山と渓谷の高低差のあるこの土地の古い集落を一望できる展望台へ寄りました。江戸時代から続く山村の風景です。

落合集落は、東祖谷のほぼ中央、祖谷川と落合川の合流点より山の斜面にそって広がる集落である。集落の起源は明らかになっていないが、平家の落人伝説や開拓伝承などが祖谷地方には残っている。集落内の高低差は約390mにも及び急傾斜地に集落を形成している。
江戸中期から昭和初期に建てられた民家や、一つひとつ積み上げた石垣と畑などの光景は、なつかしい山村の原風景を醸し出している。
平成17年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

 三好市公式観光サイトより

この集落にはいまも人は住んでいるし、宿泊できる宿やコテージなんかもあるそうです。

なんと!落合集落展望所にも綾野さんのカカシが出張してるっ!