フランク・ロイド・ライトをも魅了した「大谷石」に触れる。スケールに圧倒!巨大地下空間・大谷資料館

栃木に行ったら、必ず訪れたかったところがあります。
フランク・ロイド・ライト好きにはたまらない「大谷資料館』という大谷石の旧採掘場だった巨大地下空間です。

大谷石の採掘跡、大谷資料館

資料館という名前ですが、かつての石採掘場の空間を開放している地下空間への入場といったほうがしっくりくる感じ。

大谷石は「おおたにいし」ではなく「おおやいし」と呼びます。

入館料:大人/800円

坑内は天然の冷蔵庫

地下空間は、夏でも羽織ものがないと寒いくらい涼しいとのこと。

駐車場からエントランスに入ったとたん、外なのにまるでエアコンのような涼風がさぁっと通りすぎます。あきらかにこの一帯だけ涼しい!

涼風の正体は、地下空間の換気(採光)のため複数の開口部があり、そこから中の涼風が外へ吹き出すため。写真がモヤみたい白くに見えるのは、本当に霧が発生しています。

このときは8月、30°Cを超える猛暑注意報が発令中。猛暑の屋外とは信じられない涼しさで、ずっとここで風をあびていたい!

実は真夏は涼を求める人で大人気のスポットらしい。

地下深く階段を下るごとに、涼しいを通り越して冷えてきました。急激でカメラレンズもとたんに曇ってきました。

かなり深いとこまで下るので結構歩きます。

すぐに全景が見渡せる踊り場に。
圧倒的な異空間!「まるで地下帝国に迷いこんだようだ!」中二病風にいえばこんな感じ笑

ライトアップされた地下空間の雰囲気からぱっと思い出したのは、以前行ったことのあるトルコ・イスタンブールの「地下宮殿(ビザンツ帝国時代の巨大貯水池)」。でもこっちのほうがもっとスケールが大きい!

建材の石採掘場なので天井は高く、切り出された壁は水平垂直で構成されているシンプルさ。禅的な厳かさがあったり。

昔の採掘場のはずなのにそんな雰囲気をかもし出しているので、坑内では結婚式もしているそう。教会に見立てたフロアは一般には非公開エリアなので見ることはできませんでした。
個人的に花嫁のヘアメイクを美しく撮影するために、この暗さではライティングはかなり大変そう。って思いました。

この日の坑内の気温は12°C(外は約33°C)。外気の影響をほとんど受けず安定しているので、今でも食料やワインなどの貯蔵庫として使われている場所もあるとか。

切り出した岩を外へ運搬するための坂になった出入り口(立ち入り禁止)には、外との気温差で空間の半分が雲海になっていました。

外とつながる場所には、こんな雲海があちらこちらに。手が届きそうな間近で神秘的な体感でした。

ロケ地としても有名

エンタメ業界がほうっておくはずもなく、さまざまなロケ地にもなっています。公式HPには今までの実績がリストでずらり。
ロケーションの希少度に比べ許可や制約もかなりゆるそう。映画はタイプ的に漫画原作やアクション系が多めかな。直近では「映画 翔んで埼玉」あたり。ポスターばんばん貼ってありました。

ちなみに映画「ゴジラ-1.0」でもちょっとだけセットに登場。
主人公の神木くんが終戦直後に壊滅状態の自宅に戻ってきたシーン。壊れた門柱にばっちり使用されてました。

劇場で視聴済みだったけど、ここを鑑賞後アマプラで映画を見返していたら一発で気づきました。モノクロ版の「ゴジラ-1.0/C」でも気づいてしまう個性的な大谷石。

それほど大谷石は独特の表情をもってます。

あとはパーティー(ラグジュアリー系が多め)の会場としても使用されているとか。

実際にドンペリニヨンのパーティ(2014年)の様子が少しだけ垣間見れました。晩餐会さながらのロングテーブルセットが作られ贅をつくされたとか。地方の田舎なこの場所に、超VIPが集合したと思うと・・アツいですね。

フランク・ロイド・ライトと大谷石

フランク・ロイド・ライトの作品として、日本で一番有名な建築作品である帝国ホテルはとっくに解体されているけど愛知県犬山市の明治村に一部が移築されています。

実際に愛知の明治村まで見に行ったことがあります。

外観はもちろんのこと、内装にもふんだんに使用されていた大谷石。

当時の日本ではありふれた建材だったけど、外国人の目には新鮮に思えたのでしょうか。

愛知・常滑のスクラッチレンガ(INAX前身)との組み合わせデザインは今見ても色褪せない!
大谷石はやわらかく彫刻しやすいからこそのデザインですね。

ミュージアムショップ

大谷資料館の鑑賞後は、ミュージアムショップ&カフェのROCKSIDE MARKETというショップが隣接していました。何かしらの大谷石グッズを手に入れたい・・。

ショップは、どちらかというとカフェ利用の方が多く、待ち時間も発生してたほど。若い子を中心に大人気のオシャレカフェでした。

ちなみに食べログをチェックしたら宇都宮カフェ部門で第2位とのこと。

小堀の荒々しい切り出しがひとつひとつ違ってて選ぶのに悩んだガラスベース付きの花瓶(2640円)。適度な重みで安定感が良いのです。

とりあえずなんでもいいから手に入れたかった大谷石。美しく切り出された多目的プレート(1100円)とオリジナルの手ぬぐい(1890円)。カエル柄なのは「無事にカエル」とご当地の縁起物から。

手ぬぐいのモチーフは個人的には石にまつわるものが良かったけどこの柄のみ。

すでに持っている帝国ホテルのてぬぐいと、スクラッチタイル(INAXライブミュージアム)のてぬぐいと合わせて、フランク・ロイド・ライト由来の手ぬぐいが3種揃ったのが収集家としてちょっと嬉しかったり。