愛知県で出会った2ヶ所のフランク・ロイド・ライト作品。明治村・帝国ホテルと常滑製のレンガ[世界文化遺産]

愛知県2ヶ所のフランクロイドライト展示

あまりにも有名な建築家の大・大巨匠「フランクロイドライト」。

建築家でもあるけれど、設計した建築に合わせて作った家具・照明などのインテリアデザインは、広く販売され今も大人気。小さいものではお皿までデザインします。

いつか欲しいTALIESIN2。フランクロイドライト自身の自宅を建築する際に作られたランプがもとです。日本の和室にも良く似合うし、時代が変わっても色褪せない。いつ見てもいいなあ。

日本で一番有名な建築作品である帝国ホテルはとっくに解体されているけど愛知県犬山市の明治村に一部が移築されています。愛知に住んでいるうちにぜひ見に行かなければと明治村を訪れました。

明治村 帝国ホテル

ライトはもともと日本の建築や美術品に影響されていて旧知の仲だった元美術骨董商の帝国ホテル支配人から設計の依頼をされたそうです。そんなエピソードを聞くと、どことなく日本の風景になじむ建物と感じます。

ただ設計には莫大な費用がかかったそうですが支配人が盾となり問題を有耶無耶にしたおかげで無事にオープンすることができました。(ただ途中でライトの手からは離れてしまうのですが・・割愛)

今でいうところの新国立競技場問題みたいなものですね。

でも支配人のおかげで世界文化遺産の対象であるフランクロイドライトの作品を、今でも楽しむことができているのです。感謝。

ただ今でも現存していたら・・世界中から訪れるべき世界遺産級のホテルになっていたと思うと残念で仕方ありません。

中央玄関

正面玄関は3階吹き抜け。実際の帝国ホテルは左右に3階建ての客室棟がある巨大な敷地に立つホテルでした。あの日比谷の一等地に、3階建てのホテルは贅沢。

かつてのここからの景色は、日比谷公園か。

玄関ホール

玄関ホール中央は吹き抜け。この先はもうありませんが、奥のカーテンの先には煌びやかなダイニングルームがありました。

当時のレストランのセットが再現されていました。大きいダイニングルームであったようなのでドレスアップされた方々で賑わっていたのでしょう。

ロビーのスタンド照明も意匠が統一されています。

上の階へ行くには回廊のような階段を登っていきます。階段手前には壁泉(ウォーターガーデン)があります。

中二階のガラス窓のデザインは、いかにもフランクロイドライト!窓からの光と影が美しい。

池袋の自由学園・明日館(フランクロイドライト設計)にも見学にいったことがありますが、こんなふうにラインで遊んだ天井があったなあ。

2階からの風景。モノクロにするとタイムスリップした感じに!どれだけ帝国ホテルには光と影の密度が詰まっていたかが垣間見れます。

金箔のステンドグラスと大谷石

さまざまな手法で空間全体を彩っていました。

窓辺はもちろん、壁面や柱のステンドグラスは金箔を挟み込んで格子風のリズムで配置してあります。彫刻石のアクセントにも使われています。大谷石という彫刻しやすい石だそうです。

ふつうなら冷たさの印象がある石だけど、クラフト感がある質感でなんだか見た目もあたたかい感じ。

スクラッチタイルと立体テラコッタ

柱のレンガには縦に引っ掻いたスクラッチタイルというものが使われています。このように内装にふんだんに使われているほか、外装のタイルもこちらが使われています。タイルっぽく見えるところは全てこのタイルっぽい。スクラッチ模様は手作業だろうし、何より莫大な量のタイルです。

予算がどんどん膨らんでしまったのもわかるわぁ・・・。

幾何学模様のテラコッタは近くで見ても細かいパーツが組み合わさった立体デザイン。隙間からは照明の光が漏れています。ロビーにある柱にはこのデザインで統一されていました。

そしてこのタイルは建設当時ここ愛知県の海に近い半島にある常滑市で作られていたのでした。

常滑の帝国ホテル煉瓦製作所

スクラッチタイル=すだれ煉瓦と呼ばれていたそうです。帝国ホテルのすだれ煉瓦は、常滑に「帝国ホテル煉瓦製作所」という専用製作所を開設して作っていました。土は常滑からほど近い知多半島の先端・内海のもの。

そこの技術顧問・指導していたのが伊奈初之丞をはじめとする方たちです。お名前からピンとくるかもしれません。INAX(LIXIL)の立ち上げをされた方々です。

彼らはホテル完成後、帝国ホテル煉瓦製作所の設備や人を引き継いで伊奈製陶所(元INAX・LIXIL)を創業したのでした。

INAXライブミュージアム

次に訪れたのはこちら。かつての伊奈製陶所があった愛知県常滑市です。

創業のキーとなった帝国ホテルでの事業は、常滑市にあるINAXライブミュージアムにも紹介されています。ミュージアム内にある「建築陶器のはじまり館」で、帝国ホテルに関する資料が展示されていました。

建築陶器のはじまり館

こちらは明治村には移築されず解体されたダイニングルームの柱の一部。状態の良い当時のままの実物が展示されていました。

じっくり見ると、金箔のステンドグラスはより金箔質感が本物っぽく明治村と異なっているように感じます。もしかしたら明治村はフェイク(後付けでつくったもの)かもしれません。

当時の状態のよいスクラッチタイルが間近で鑑賞できます。

当時のテラコッタタイル。

2007年の企画展では、建設当時と同じ常滑の土を使って同じようにテラコッタやタイルを制作して復元展示をしたそうです。

このような繊細なピースですが、開業当日に不運にも見舞われた関東大震災にも耐えたそうです。

ミュージアムショップの手ぬぐい

明治村のミュージアムショップには帝国ホテルのオリジナルグッズが販売されていました。左は帝国ホテル手ぬぐい・宝づくし、1100円。

INAXライブミュージアムでもミュージアムオリジナルの手ぬぐい(かまわぬ製)があったので購入。煙突のある窯がモチーフのもの、1320円。

ささやかな我が家の壁で約100年ぶりのコラボです!